出雲大社教の教祖
出雲大社教の教祖は出雲國造(宮司)の始祖神である天穂日命です。
この神は天照大御神の第二の御子神で、御兄神は 天忍穂耳尊(天孫瓊瓊杵尊
の御父神)です。一般的には宗教団体の創始者が教祖として仰がれますが、出雲大社教の教祖は創始者の第八十代出雲國造千家尊福ではなく、出雲國造の始祖神である天穂日命です。
これには天穂日命以来、その子孫である代々の出雲國造が受け継いできた神聖なる神統と道統に深い理由があります。
出雲國造は代替わりに際して「火継ぎ式(火=ヒ=霊)」と呼ばれる霊魂の継承儀礼をお仕えし、始祖神である天穂日命の霊魂を継承します。これにより代々の出雲國造には天穂日命が連綿として生き通すのです。
こうして、今日まで八十四代に亘って出雲國造が大国主大神への祭祀を専修してきました。従って、出雲大社教の創始者である千家尊福もまた天穂日命であり、この神を教祖と仰ぐ所以がここにあります。
出雲大社教の教義
出雲大社教の布教方針は、宗祠と仰ぐ出雲大社に鎮まります大国主大神とのご神縁に結ばれることで、安心立命の中に生かされることを教え導くことです。
本教の教義は「幽顕一貫」「顕幽一如」にあります。顕世は今我々が生活し、目に見える世界のことであり、幽世は、神魂と人の霊魂の世界のことです。
顕世と幽世とは、相即不離の関係にあり、この世での幸栄(幸福と繁栄)は、幽世からの恩頼(ご加護)により与えられます。
人間の霊魂は、死後、大国主大神が治められる幽世
に帰り、大神によってその帰着するところが決まります。それ故に、生前の善悪に関し、大神の神慮を奉戴し、心行を正直にして修身誠意、大神の恩頼を仰ぐことにより、幽世に帰り入るとき、代々の先祖たちと共に、御家の守護神として霊魂の安寧を得ることになります。