~秋のみたままつり~

秋 季 祖 霊 社 大 祭



 秋分の日に当たる9月23日の午後7時、祖霊社では管長斎主の許にご先祖様の冥福をお祈りする「秋季祖霊社大祭」が厳粛に斎行されました。

 大祭にはご先祖様の冥福を祈る多くの祖霊社斎家(さいか)の人々が参列しました。御神前には海川山野の種々の幸が神饌(しんせん)としてお供えされ、続いて管長により厳かに祭詞の奏上がなされました。祭詞では幽冥主宰大神(かくりよしろしめすおおかみ)として目に見えない霊魂の世界を司られる大国主大神様へ、幽世にて家の守り神と鎮まられるご祖先様、また護国の神様としてお鎮まりになられています靖國英霊の冥福が祈念され、更には日々のお守りへの感謝の祈りが参列者と共々に捧げられました。

 

 尚、祖霊社では22日の午後7時から前夜祭が、24日の午後7時から夜祭がお仕えされた他、22日~24日の3日間は出雲市内をはじめ、松江市や雲南市などの祖霊社斎家の家々を本教教師が回拝し、御霊舎(みたまや)にて家族親族と共々に冥福祭がお仕えされました。
 また、祖霊社庭上では骨董市が催され、多くの参拝者が暫し足をとめて賑わいました。



幽 冥 主 宰 大 神 様

 大国主大神様は国造りをなされた日本国土を天照大御神様に国譲りなされ、目に見えない神事(かみごと)の世界や霊魂の世界である「幽世(かくりよ)」を司られる神として出雲大社へお鎮まりになられました。 それ故に「幽冥主宰大神(かくりよしろしめすおおかみ・ゆうめいしゅさいのおおかみ)」とも称えられます。
 この幽世における大国主大神様のおはたらきによって人々は霊魂を結ばれ、「霊(ひ)止(と)=人」として「顕世(うつしよ=この世)」に生を結ばれます。人は生まれた後も大国主大神様の御蔭によって生かされ、死後の霊魂は再び幽世へと帰り、大国主大神様の御守護の許に家々の守護神として鎮まります。そして、子孫の祈りによって益々高き神の御位へと進み、家々の一層の繁栄が結ばれるのです。
 このように、生きとし生けるものは「生き死に=幽顕」二道(ふたみち)かけて大国主大神様の御守護をいただきます。出雲大社教初代管長千家尊福はこの御神徳によって広く人々の霊魂を救済せんと、明治8年、現在の出雲大社銅鳥居前に祖霊社を創建し 、ご先祖様の末永い冥福を祈る〝みたままつり〟が始まりました。その後、祖霊社は現在の地へと移り新築され、多くの家々においてご先祖様の御霊(みたま)が祖霊社へと合祀(ごうし)鎮祭され、祈り継がれているのです。
 こうして、祖霊社や家々の御霊舎では、日々に幽冥主宰大神と仰ぐ大国主大神様、そしてご先祖様への祈りが深められており、春と秋のお彼岸には祖霊社大祭が斎行されています。


   
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