~旧正月元旦に福徳の御蔭を~
福神祭ふくじんさい

 旧正月元旦となる2月8日午前1時より、神楽殿では多くの人々が参列する中、福神祭が賑々しく斎行されました。
 この福神祭は、出雲大社・出雲大社教の祭典としてお仕えされますが、旧正月の年初めを迎えるにあたり、古くより「福の神」とも称えられる大国主大神の御懐深く、神楽殿大広間にお籠もりし、旧正月元 旦を大神の御前で迎え、新年の清新なる福徳の御蔭を祈ります。
 今年の福神祭では、夕刻よりお籠もりの参拝者が続々と神楽殿へ参集し、福縁のお願い事をお取り次ぎする御祈祷が絶え間なくお仕えされました。やがて福神祭の祭典時刻となる午前1時を迎える頃、神 楽殿内は約650名もの参列者が参集し、立錐の余地もないほどに埋め尽くされました。
 祭典は出雲大社教管長の斎主によって斎行され、新玉の年の初めに人々の幸縁を祈念する祝詞が厳かに奏上される中、共々に深い祈りを捧げ合いました。そして祭典が終るや否や、参列者たちが神楽殿内 に張り巡らされた注連縄の紙垂(しで)を競って取り合う紙垂取りが始まり、紙垂は瞬く間に取り納められました。この紙垂は神棚にお祀りすると家内安全・除災招福が、また竹の先に挟んで田畑に立てると 五穀豊穣など、諸々の御蔭を授かるというのが古くからの信仰となっています。
 福神祭の後には、金・銀・銅の大国主大神の御神像などが授与される福授け抽籤が行なわれ、当籤番号が発表されるたび、神楽殿内は大きな歓喜と深い嘆息が入り混じる中、当籤された方には参列者より 喜びを分かち合う拍手が捧げられ、毎年恒例の悲喜こもごもとした福授け抽籤となりました。
   
  また、福神祭の賑々しさが過ぎ去って静寂を取り戻した早朝、突然に深々と雪が降り始めました。その様はまるで大国主大神の御蔭の如く降り注ぎ、旧正月元旦の朝を清らかな純白に包み込みました。

 >旧正月元旦の朝、雪に染まった御本殿

   
旧正月元旦の朝、雪に染まった御本殿
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